普通の家では、仏間を厳かな空間にして、こころを清めて、 仏壇に手を合わせるのが普通らしいね。
でも、最後の最後まで、リビングの光に照らされて、 そこに設置された、ベッドのように気持ちのよいソファで 日がな一日を暮らしていた、父にとって、リビングは、 実質上仏間だったのではないかと、私も母も確信していた。
だから、仏壇は、リビングに置くと絶対決めていた。 父の兄弟、つまり、叔父叔母からは、いろいろといわれた。 けれど、気にしなかった。だってそこが父の最期の居場所だったから。
ただ、厳かな仏壇にするのは嫌だった 普通の家具になじむような木製の家具調のものを選んだ。 現代仏壇というらしい。
近年人気らしくて、仏壇を手に入れるまで、数ヶ月かかった。 それでもほしかったのだからしかたない。 ダウンライトに照らされた父の仏壇は、リビングに訪れる人を いつも見守っている。手を合わせてくれる人も増えたんじゃないかな。
友達は、深く狭く、付き合う人柄だったから、 それほど線香を上げてくれる人はいない。 けれど、皆、リビングにある仏壇を見て、思うところは 厳かな仏間よりもあるんじゃないかなと個人的には思っている。